2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

水曜鳥獣劇場『亀捕り名人』

その名は「ひろし」。字は「ぼん」。いわれは直毛。 弟の名は「よういち」。字はまだない。 兄弟は川へ入っては亀を捕り、その大きさを競った。 飼うでも食べるでもなくただ捕るのを競う。 ペットショップでカメを売っている時代に、川で、しかもかなり上流…

臨時虫劇場

図書館でかなり味のある図鑑に出会った。 黄褐色を通り越して黒褐色に日焼けしている。 ようするにかなりの年代もの。 新キャンパスのいくつかの池にすんでいる灰色のゲンゴロウ「ハイイロゲンゴロウ」を調べてみた。 「ハヒイロゲンゴロウ」 「灰」を「ハヒ…

火曜虫劇場

冬休みに帰省した日、正月飾りに使うウラジロとユズリハと松を採りに山へ入りました。 そのときペットボトルが木の幹にぶら下げてあるのを見つけました。どうやら蜂を獲るのに使うようで、バナナの焼酎漬けなど中に蜂の好むようなものを入れて寄ってきた蜂が…

月曜蛙劇場

爺は山へ柴刈りに、婆は川へ洗濯に行き… と、くればもうお約束。 川から桃が流れてきます。ところが… 婆が拾った桃から鳥がとび出した。 2人はいつもお宮さまに子どもをくださいと祈っていた。 それを持って詣でると鳥が神殿の方へ飛んでいった。 すると扉…

臨時・キャンパス四季劇場

大学の中央食堂の前の目抜き通り沿いには、南京はぜが白い実を冷たい風にさらしながら並んでいます。 秋は緑から紫まで美しい葉をつけていましたが、いつの間にやら葉が落ちて、白い実になっていました。白い実はまだ落ちる気配がありません。 もう少し風が…

日曜四季劇場『立春』 

「八十八夜」 夏も近づく八十八夜 野にも山にも… 立春から数えて八十八夜目、およそ五月三日ごろ。 このころになると霜もおりなくなり、戸外で植物を育てても心配なく、種をまいても失敗することがないとされる。 このことを「八十八夜の別れ霜」と呼ぶ。 農…

土曜町劇場・食のドラマ

「味噌が腐る」と言えば、下手な歌をけなすこと。 「味噌を揚げる」と言うと、自慢すること。 『広辞苑』の二意にはこうある、 「特色とする点。得意に思っている箇所。手前味噌。」 ここがみそだよ−などという。 味噌が身近な調味料として親しまれてきたこ…

金曜もの劇場

2月3日は節分。 豆まきしましたか? 友達は今朝の4時ごろまで家々をまわって豆を投げあっていたそうです。 十分鬼は祓えたでしょう。 テストに福が来ればいいですが… さてさて、豆まきの「豆」って何をまきます? 「煎った大豆」ですよね。 それを歳の数…

木曜森劇場【たにのき】

また冷え込んできた。 つい一昨日までやさしい風が吹いていたのに。 でも、こんなに冷える季節だから咲く花もある。 梅や水仙だ。 梅は見れば温かくなり、 水仙は見れば空気の冷たさもすがすがしい。 草野心平は言う。 …庭のすみの水仙は、晴れた日には透き…

家の壁と「もま」のドラマ。

僕の実家は山ん中。 今はなくなってしまったんだけど、じぃちゃんばぁちゃんの家の壁には「もま」がすんでいました。 「もま」はいつも壁を引っかきます。 「もま」はいつもふかふかの布団で寝ています。 「もま」の布団は裏の山の杉の皮でできています。 僕…

水曜鳥獣劇場【たにのき】

…爺が山で仕事をしていてお昼ご飯を食べているときに、おかずの煮豆が一粒転がり落ち、すぐ先の穴の中へ入っていった。すると穴の中から歌声が聞こえてきた。…爺は、おかしいな、豆を入れると歌う穴かいなと考え、また一粒豆を穴に入れてみると、また歌声が…