阿蘇の視察日記①【しゃちょう】

9月2日、阿蘇にグリーン・ツーリズムの視察へ。八女郡GT推進研究会の視察としてだ。視察内容は大きく3つ。

  • 阿蘇地域振興デザインセンターの取り組み
  • 阿蘇市一の宮の商店街活性化の取り組み
  • ③内牧商店街活性化の取り組み

やっぱり、関係者の話を聞きながら町を見ると、本当におもしろくて、見方が変わってくる。そしてめちゃめちゃ勉強になった。この場で、その取り組みの一部と、私が感じたことを紹介しよう。環境創造舎にとっても学ぶべき点は多い。

阿蘇地域振興デザインセンターの取り組み
阿蘇地域振興デザインセンター(asoDC)は阿蘇地域をトータルとして盛り上げるための財団法人である。まぁ、事業内容も特筆すべき点はあるが、その設立経緯や設立方法、運営方法がおもしろい。
<前提>
財団法人を設立するためには、1億円のファンドが必要である。そのファンドを運用し、その利子で事業を行っていくのが財団法人や、基金の基本的姿である。例えば、1億円を集めて長期定期に入れ、その利子が1%とすると毎年100万円が利子として入ってくる。その100万円で事業を行うということである。
定期を解約してもその1億円は戻ってくるわけだから出資者に返還できる。
<asoDCの場合>
なんとasoDCは、aso地域を構成する旧12町村と熊本県がファンドを出資した。その額30億円である。熊本県が15億、旧12町村が15億を負担したそうだ。なお、それは1年で全額支払ったと言うことではなく、毎年、数千万づつ積み立てるという方法をとったそうだ。まぁ、当たり前か。
そうして集まった30億円で、日本国債を購入。その日本国債の利子率は2%。毎年、6000万円が運用益となるわけである。
そのうち3000万円を事業費として、3000万円を運転資金としている。運転資金とは何か。国債の利子が振り込まれるのは、年に2回程度だから、それが振り込まれる間に立て替えの運転資金が必要なわけである。
その6000万円で阿蘇のトータルの地域振興を行っているわけである。

なぜ財団法人にしたのか。行政の枠にとらわれないような組織体が必要だったからだそうだ。行政を基本にすると、町村という「割」があるし、課という「割」がある。そうした縦割りも横割りも、すべてとっぱらった横断的な組織体が必要だと考えた結果がこのasoDCである。
asoDCの目的の一つは阿蘇地域トータルのイメージを作り、それを売り出すこと。その具体的事業の一つがHPの開設である。
阿蘇TVというasoDCが「開設したサイトには、毎日1万件、毎月30万件のアクセスがあるそうだ。
http://www.aso-tv.com/
すごいね。