DEKATA

元岡地区の「デカタ」に参加してきました。

「デカタ」というのは、集落内で行う出作業のことをいいます。元岡では、主に農業用水路の整備を行っています。農業をする上でとても重要な水。特に最も水を使う水田にとっては大事な大事な作業になります。だから皆で整備をやりましょう、と元岡総出で行われる一大イベントなのです。
今回、自分たちは元岡にキャンパスのある九州大学の代表(?)ということで作業に参加させてもらいました。

作業は午前中の涼しいうちに行われます。そのため開始時間は驚くほど早い。元岡集合は7:30(!)。そのためには、箱崎キャンパスを出るのが6:40(!!)。ということで起きる時間はというと・・・僕個人的には、いつもならどの時刻もまだ夢の中ですね。それでも、今回はスタッフもあわせて12名が参加しました。

元岡は5つの集落で構成されています。今回は2グループに分かれ、「山手」と「下の谷」の作業に参加させてもらいました。自分は「下の谷」班をお手伝い。
点呼が終わり、トラックの荷台に乗りこんで整備場所に出発。荷台に吹き込んでくる風が心地よいです。現場に到着。水路はたくましい草たちでびっしり埋め尽くされています。しかも水路周りだけでなく、水路の中までも侵食する勢い。そして、水路は続く、どこまでも・・・と、途方もない。

しかし、あんなに草で荒れていた水路があっという間に整備されていきます。大人数の力が結束したときのパワーのすごさを思い知らされます。自分たちも刈り払い機や鎌などの慣れない作業に手こずりながらも、少しでもお役に立とうと、作業に打ち込みました。長年行われてきた行事ということもあって、元岡の方々のさすが見事なチームワーク。気持ちいいほど段取りよく作業が進んでいきます。作業をやり終えた後の達成感は本当に気持ちよかったです。

作業は予定通り午前中に終わり、正午からはお待ちかねの打ち上げです。元岡の方々からは大歓迎を受けました。屋外で焼肉とビールとお酒と最高のおもてなし。スタッフの女の子二人は、バラ園農家の方からバラの花束のプレゼントをもらってました。摘んできたばかりのバラの花束なんてステキですよね。お酒も進んで、自然と会話も弾みます。自分たちの自己紹介から始まり、お百姓仕事や子供の話、昔話そして元岡のこれからについても。いろんな話で盛り上がりました。

デカタで共に汗を流し、お互いをねぎらうためお酒を飲み交わし、そして語らいあう。元岡の方たちはいつの時代もこうやって結束を深めてきたんだなということが伝わってきます。このような地域内での交流というのは現在薄れつつあります。特に都会ではとても考えられませんよね?自分たちが失いかけている大切なものが、農業地域元岡にはあります。

「農の恵み」ってこんな所にもあるんだなと気づかされた一日でした。

【りゅーいち】