木曜森劇場

アスパラガスの森。
Forest asparagus

みぞれの降った日中。寒かったですね。
私は全然寒くありませんでした。
それは、アスパラガスの森にいたからです。
アスパラガスの森は薄い透明な膜で囲まれたかまぼこ状をしています。
そこは、熱すぎず寒すぎず、陽加減もちょうどよいところでした。
ただ、アスパラガスの森で暮らすには条件があります。
森の草取りです。
ただひたすら草をむしる。
それだけすれば、この心地よい空間にいつまででもいられるのです。
私はかれこれ６時間ほどアスパラガスの森に滞在しました。
もちろん、ずっと草をむしり続けました。
ときどき、小さなみみずやとびきり大きななめくじが退屈を紛らわしてくれましたが、とうとう飽きてしまいました。
快適に暮らすのは楽ではないなと思って、外へ出ました。
最後にちらっと振り返ると、なんだかきれいになったアスパラガスの森が見えました。
さっき、飽きたばかりなのにまた来たいなと思ってしまいました。
恐るべしForest asparagusです。

まとめると、寒い朝から昼過ぎまで、福岡県須恵町の有機農家のYさんのアスパラガスハウスで草取りをしていたということです。また、機会があったらまた来てね、とおいしいアスパラガスに誘われたということです。

天気が荒れた日の夕暮れは華やかでした。

*** 明日は『金曜もの劇場』です。お楽しみに！ ***
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【たにのき】